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INTERVIEW

誰もがヴィーガンを実践できる社会を創る! 全国のヴィーガン実践者を巻き込む、ブレない想い

株式会社ブイクック
代表取締役 工藤 柊

    日本でも最近耳にするようになったヴィーガン。ヴィーガンとは、日本語では「完全菜食主義」や「脱動物利用主義」と訳され、肉類や魚介類、卵や乳製品などの動物性食品の消費を避ける考えやライフスタイルを指します。食事の他にも、ファッションやコスメなどでも動物性素材が使用されているものは極力選びません。株式会社ブイクックは、料理・レシピの領域から、誰もがヴィーガンを実践できる社会を実現しようと、ヴィーガン料理に特化したレシピ投稿サイト『ブイクック』の開発・運営を手がけています。代表取締役の工藤さんに、自身の想いや起業の経緯、今後のビジョンについて伺いました。

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    ヴィーガンをもっと手軽に、もっと身近に

     まずは事業内容について教えてください。

    工藤 「Hello Vegan! な社会を、​食卓から。」をミッションに掲げ、誰もがヴィーガンを実践できる社会の実現に取り組んでいます。主な事業は3つで、ひとつは、100%植物由来のヴィーガン料理に特化したレシピ投稿サイト『ブイクック』の運営です。ユーザーがヴィーガンレシピを投稿し、それを検索したり保存したりできるサービスで、料理を通してユーザーコミュニティを形成しています。このコミュニティから派生したヴィーガン商品、『世界一簡単にできるヴィーガンレシピ本』が2020年7月に出版予定です。2つ目がヴィーガンマーケティング支援。『ブイクック』のユーザーコミュニティ、蓄積されたヴィーガンレシピなどの情報を生かし、ヴィーガン商品の開発や販売をサポートしています。3つ目は、飲食・宿泊業でのヴィーガンメニューの導入支援です。

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     なぜ、ヴィーガン向けのサービスに特化したのですか?

    工藤 僕自身もヴィーガン当事者で、環境保全と動物愛護の理由から、2016年11月よりヴィーガン生活を続けています。始めたときは何を食べたらいいのか分からずでしたが、お米と野菜は食べられるので、最初の2週間くらいはおにぎりと水炊きのお鍋でした。でも、調べてみるといろいろなものが食べられることが分かりました。「もっと早く知りたかった」と感じた実体験から、ヴィーガン料理レシピがまとまっているサイトがあれば、ヴィーガンを始めたり継続したりするハードルを下げられるのでは、と考えたのです。

     ブイクックの強みは何ですか?

    工藤 1,600人規模のユーザーコミュニティがあり、コミュニティの声からサービスを作っていけることです。ヴィーガンをめぐる状況もここ数年で変化してきました。メディアに紹介される機会が増えたり、大手メーカーや飲食店がヴィーガン向けの商品やメニューを出していたり。ただ、商品開発担当者がヴィーガンではなかったり、ヴィーガンに会ったことがなかったりするケースも多いです。その点において、ブイクックは消費者になり得る当事者に近く、ちゃんとコミュニケーションを取ってつながっています。当事者の生の声をメーカーや飲食店に届けられるのは、ブイクックならではだと感じています。

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    北は北海道、南は沖縄まで足を運んで、ヴィーガンを実践する人と話す

     起業を考えるきっかけは何でしたか?

    工藤 個人での活動に限界を感じたからです。2017年4月、大学入学後からフードロスに取り組むサークルに入ったり、学食にヴィーガンメニューを導入しようと活動したり、神戸のヴィーガンカフェの店長をやったり、いろいろなことに取り組んでいました。その中で、同じ想いを共にする人と協力すればもっと大きなことができるのではないかと考え、大学を休学後、NPO法人日本ヴィーガンコミュニティを2018年11月に設立しました。

     起業する上で株式会社ではなく、NPO法人を選ばれたのはなぜですか?

    工藤 「協同組合モデル」に憧れていたのです。協同組合モデルとは、簡単に言うと「共通の課題を持つ当事者が、自分たちで協力して課題を解決する」組織のことで、生活協同組合(コープ)や農業協同組合(JA)などがそうです。そのヴィーガン版を作りたいと思ってNPO法人を選びました。

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     その後、レシピ事業のみを引き継ぐ形で株式会社を立ち上げた、と。

    工藤 はい。NPO法人では重要な意思決定に正会員10名の承認が必要になります。スピード感を持って事業を進めるため、また、借入・出資を受ける場合のメリット・デメリットを考慮して、2020年4月に株式会社を立ち上げてレシピ事業を引き継ぐことにしました。ただ、NPO法人でもちゃんと稼げることを示したかったので、法人格を変えなければいけなくなった経緯に関しては、自分の力不足を痛感しました。

     起業に役立った経験はありますか?

    工藤 NPO法人を設立する少し前に、北は北海道、南は沖縄まで日本全国に足を運んで、ヴィーガンを実践する人とお話しました。元々の知人やそこからの紹介で会って、一人ひとりに僕のやりたいことを話し、何で困っていて、何を求めているのかなどを聞いていましたね。自分が価値を与えたいと思っている人たちと関係性を築けたのは良かったな、と思っています。

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    誰もがヴィーガンを選択できる社会を創っていきたい

     ブイクックの今後のビジョンを教えてください。

    工藤 「ヴィーガンをやってみたい!」と思ったときに、誰でも簡単にヴィーガンを選択できるような環境を作りたいです。まずは食卓に関係するヴィーガン料理のレシピで貢献していきたい。直近の目標は「ヴィーガンレシピと言えばブイクックだよね」と思ってもらえるような存在になることです。中長期の目標は、ヴィーガン食品を作ること。これひとつ手に取れば悩まずヴィーガン料理が作れるような食品を作り出し、自炊や外食のハードルを下げたいと思っています。

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     関西で起業して良かったことを教えてください。

    工藤 関西は、東京に比べるとどうしても需要が少なく、クライアントになり得るメーカーも多くはありません。VCや投資家とのつながりも東京のほうが持ちやすいと思います。だからと言って、それが関西で起業しないという理由にはなりませんでした。飛び交う膨大な情報や数億円の資金調達などに惑わされることなく、生まれ育った地に足をつけ、目の前のユーザーに注力できたという点では、関西で起業して良かったと思っています。

     最後に、起業を考えている方に向けてメッセージをいただけますか。

    工藤 自分の目に映る人の困りごとをなくしたい。自分の身近な人を幸せにしたい、笑顔にしたい。そんなふうに身の回りのことにちゃんと関心を持っていれば、何かヒントややりたいことが見つかると思います。まずはやってみて、うまくいきそうだと感じたら起業を選んでみてほしいです。

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    撮影場所:120 WORKPLACE KOBE

    チャレサポ面談
    水本このむ

    ライター

    水本このむ

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