STARTUP NEWS
headimage sp

INTERVIEW

情報化社会の今、あえて人海戦術で街にしか無い情報を獲りに行く!熱き起業家を突き動かしてきた思いとは

株式会社Review
代表取締役CEO 藤本 茂夫

    「ググる」という言葉が当たり前に使われ、わからないことはまずインターネットで調べる世の中。どんな情報もインターネット上に存在するように思ってしまうかもしれません。しかし、実は街を歩くことでしか得られない情報もまだまだたくさんあります。そんな、インターネット上には無い街の情報を、人海戦術で集めて企業や自治体に提供しているのが、ビジネスマップ「 macci(マッチ)」を運営する株式会社Reviewです。代表取締役CEOの藤本さんに、この事業に目を付けた理由や経営者として大事にしている姿勢を伺いました。

    image 1

    ビジネスマップで、人と企業と地域を「つなぎツクル」

     まずは事業内容について教えてください。

    藤本 「『つなぎツクル』を喜びへ」を経営理念に、人と企業と地域を繋ぐ事業をしています。メインサービスは、ビジネスマップ「 macci(マッチ)」です。 登録してくれているパートナーさんが、実際に街を回ってインターネットやグーグルマップでは取得できない地域の情報を集め、写真を撮影したものをデータベース化して提供しています。求人情報を例にとっても、インターネット上の情報と貼り紙の重複率は実は5%程度。つまり、店頭の貼り紙で求人募集をしているところはインターネット上に求人を出していない場合が多いんです。そうした情報を集めることで、アナログとデジタルの隙間を埋めています。

    image 2

     求人情報以外には、どのようなデータを集めているんですか?

    藤本 売土地や空き物件情報などの不動産データが多いですね。建築中の新築戸建データを集めて提供することで、通信会社のマーケティングや営業に活かしてもらっている例もあります。最近は自治体からの依頼も増えていて、耕作放棄地やAEDの設置場所などの情報を集めることもあるんです。調査は自転車や徒歩で行うので、田んぼの間の道など、私有地以外のすべての道を回れることも強みなんですよ。

     どのようにして、このユニークな事業を思い付かれたんですか?

    藤本 当社の前身は人材コンサルティング会社なのですが、あるお客様から「営業に活用したいから、自分たちがターゲットとしているエリアの中に何軒の新築物件が建つのかをリサーチしてほしい」と依頼が来たんです。専門外だしドローンを飛ばすのも無理だしと思ってお断りしつつも、何か提案できないだろうかと考えていました。そんなとき、現在の取締役COOである奥野から偶然、「趣味でまち歩きアプリを作ってる。自分の歩いた道が表示されて、撮影した写真がデータベースに保管されていく仕組みだ」と聞いて。それを活用すれば調査ができるかもと思い、使わせてもらうことにしました。それがmacciの始まりで、機能は現在の100分の1くらいですが、使ってみたら2ヶ月間でその企業の持つデータ量を5.5倍に増やすことができて。口コミが広がり問い合わせも増えたので、セキュリティ的にきちんとしたサービスを作るためにも事業転換を決めました。

    image 3

    「自分の都合に合わせて働ける人を増やしたい」という思いも原動力に

     ひとりのお客様からの相談がきっかけで事業が生まれたんですね。

    藤本 この事業を始めたのはもう一つ理由があって、自分の都合に合わせて働ける人を増やせるんじゃないかと思ったからです。人材業界でキャリアを積んできたのですが、育児などの理由で優秀だけど働く場所が見つからない女性を多く見てきました。今でこそリモートワークも普及してますが、当時はそれも稀で。他に、この前までバリバリ働いていたし元気なのに次の働き口が見つかりづらい定年退職後のシニアの方や、学費を稼がないといけない大学生もいる。彼らが自分たちの都合で働ける仕事が世の中には少なすぎるので、生み出したいと思ったんです。macciのパートナーさんには、働けるときに時給制で働いてもらっています。

     パートナーさんからはどんな声が届いていますか?

    藤本 主婦の方から「本当にこの仕事があって助かっています!」と言っていただいたときはうれしかったですね。あるシニアの方からは、「今日は撮影対象が無かったので、時給要らないよ!」と電話が掛かってきて。もちろんお支払いしたのですが、そんな意識で仕事をしていただけることが嬉しくて、こちらもモチベーションが上がりました。自分の生活リズムに合わせて働いていただけるので、朝5時から調査をスタートされるシニアの方もいるんですよ。

    image 4

    どん底でも事業を諦めなかったのは、支えてくれる人がいたから

     藤本さんのキャリアを改めて教えてください。

    藤本 新卒で入社した広告代理店が半年で倒産という衝撃体験からキャリアがスタートしました。その後、派遣社員としてケーブルテレビの営業をしていたら派遣元の人材派遣会社から誘いを受けて。その人材派遣会社では社会人としての基礎を教わりましたし、最年少で支店長に就任させていただいたり、海外研修の機会もいただいたりといろんな経験をさせてもらいましたね。

    image 5

     どのような経緯で、そこから起業に至ったのですか?

    藤本 大きな会社なので、どうしても一人の事情より全体の効率化を優先させなければならない場面があって。もっと人に寄り添いたいし一人ひとりに向き合いたいという思いから、上司や部下と一緒に会社を設立して、採用コンサルや人事代行などの事業を始めたんです。しかし、1年でキャッシュアウトしてしまって...。社長を務めていた者は辞めてしまいました。僕の気持ちも揺らぎましたが、このまま終われないと思ったので「一人で続けるよ」と言ったところ、付いていくと決めてくれたメンバーがいて、もう一度頑張れました。僕含めて4人が、7ヶ月くらい無給で働きましたね。

     すごくキツい状況だったと思うのですが、どうして頑張ることができたのですか?

    藤本 意地もありますけど、一番は人のお陰ですね。「せっかくお客様に寄り添っていい事業をしようという思いで始めたんだから、最後までやりきりましょうよ」と付いて来てくれたメンバーがいたので。それに、僕が困っていることを知って支援してくれた社長さんもいたんです。彼らのような、僕を助けてくれる人たちがいる以上、みじめでも這いつくばってでも諦めないぞと思えました。

    image 6

    腹を括って事業に挑み、受けた恩は返し続けていく

     ビジョンを教えてください。

    藤本 ひとつの区切りとして、5年以内のIPOを目指しています。株主さんからお金を預かっている以上、それも恩返しのひとつだと思っているので。IPOに向けて社員を増やしながら組織を整えるのが普通かと思いますが、当社は“50人の社員と5000人のパートナー”のような体制でIPOを目指したいですね。その次は、このスキームをグローバルに展開していきたいです。当社のSEには外国出身の者もいるので、彼らの母国に拠点を作りたいですね。

     最後に、起業を目指す方に向けてアドバイスをお願いします。

    藤本 どんな準備よりも大事なのは、腹を括ることだと思います。経営者は、事業が軌道に乗るまでは休む暇がありません。事業が軌道に乗って少し休めたとしても、仕事のことを考えない日は無いと思います。社員と社員の家族、自分の尊厳、投資など大きなものを背負って、命を賭けてやるわけなので。それぐらい強い気持ちで、全力でやっているリーダーにしか周りは付いてこないから、まずは自分が誰よりもやるという意識が必要だと思います。そして、筋を通すこと。これは先輩に言われたことの受け売りですが、「恩は返すものじゃなくて、返し続けるもの。一度受けた恩はずっと忘れずに、一生返し続けろ。それがビジネスの秘訣でもあり、筋だ」という意識は大事にしてもらえたらと思います。

    image 7

    チャレサポ面談
    writer_kuramoto

    ライター

    倉本 祐美加

    TwitterFacebook