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INTERVIEW

リユースショップの未来のために、POSシステム開発でDXを推進。堅実に成長を続ける業界の変革者

株式会社NOVASTO
CEO 佐藤 秀平

    オンライン上で個人間の物品の売買をすることが当たり前になり、頻繁にフリマアプリを利用する人も多くいます。一方、以前から街にあった、リサイクルショップや買取専門店の客層は変わっていません。店舗のオペレーションも、世の中の変化に対応しきれてないといいます。そんな店舗のDX化を支援するPOSシステムを開発し、リユース文化を広げようとしているのが、株式会社NOVASTOです。CEOの佐藤さんに、NOVASTOが目指す変革や起業志望の学生へのアドバイスを伺いました。

    01

    アナログかつ課題の多い、リユース業界のDXを推進する

     まずは事業内容について教えてください。

    佐藤 事業の軸は「リユース」で、リサイクルショップや買取専門店向けのPOSシステムの開発やコンサルティングを行っています。最近でこそSDGsが叫ばれて注目されていますが、リユース業界はもともと、新品小売と比べると日陰かつアナログな業界。フリマアプリの普及でC2C市場は拡大してきましたが、従来の店舗はデジタル化が進んでおらず、世の中の変化に対応できていません。こうした課題を解決して、リユース市場に置けるモノの価値を可視化し、循環させる量やスピードを向上させることで日本のリユース業界を変革したいと思っています。

     現状、リユース業界にはどんな課題があるのでしょうか。

    佐藤 まず、新規顧客層が開拓できていません。中古品を買うことに抵抗を感じる人は減っているものの、リサイクルショップの利用経験がある人は4割程度のまま。「手間が掛かるし、フリマアプリの方が高く売れるから」と、若いお客様の数は増えません。また、買取を依頼されたお客様の多くが、一度のみの利用にとどまっています。これらを解決するためには、「少し金額が下がっても、リサイクルショップで買取をしてもらいたい」と思ってもらえる付加価値を作り、継続的に利用したくなるスムーズかつ気持ちの良いコミュニケーションを実現できるように、店側の変化が必要なんです。

    02

    「リユース文化を広げる」ため、事業領域はシステム開発にとどまらない

     課題解決のために、どんなソリューションを提供されているのですか?

    佐藤 リユース・小売用クラウドPOSシステム「ReCORE(リコア)」で、デジタルシフトを支援しています。リサイクルショップには「顧客管理」という概念が無かったのですが、お客様の売買履歴や会話履歴を記録できるようにして、きめ細やかな接客ができるようにしました。また、私たちが貸し出すオリジナル商品データベースに紐づけて商品のマスタ管理をしてもらえる点もユニークです。買取商品名を店員さんがベタ打ちしていたために「Macbook」「マックブック」などの表記揺れが起き、在庫管理が煩雑になっていました。その状況を解決して、どの店員さんでもすぐに在庫数やネット相場を確認できるようにしたのです。こうすることで、作業の標準化のレベルを上げ、お客様をお待たせする時間も減ります。今後は売買履歴や流行から、AIが自動的に査定金額と「この金額なら●日で売れる」と予測するしくみを作りたいです。

    03

     新型コロナウイルスの感染拡大が業界にもたらした変化はありますか?

    佐藤 外出や人との接触に抵抗を感じるようになった世の中の変化を受けて、ECに力を入れる企業が増えてきました。リユースは単品管理の世界なので、店舗とECで商品を併売することができず困っていたんです。だけど、「ReCORE」ならECとも連動しているので、併売を自動化できるんです。こうした機能も使ってもらいながら、業界のデジタル化が進んでくれればと思います。

     今後の展望を教えてください。

    佐藤 POS屋さんではないので、システム開発にとどまらずリユース市場の拡大に貢献できるビジネスをしていきたいです。考えていることのひとつが、「リユーススポット」づくり。たとえば、ガソリンスタンドに不用品を持っていけばガソリンチケットを貰えるといった、物々交換のようなしくみです。まだまだ家庭には眠っている不用品が多く、それらを動かさないとリユースの利用率も増えません。お客様は不用品と交換で普段使っているお店のサービスを受けられて、お店は不用品を預かる役割を果たすことでお客様との接点を増やせる。かつその不用品はリサイクルショップが買い取る、というしくみを作れたら、リユース文化がもっと広がるだろうと思っています。

    04

    「大きな失敗が無い」ことは、コンプレックスであり自社の強み

     昔から、起業したいと思っていたのですか?

    佐藤 いえ、教師志望でした。でも、「このまま教師になっても、将来進路指導をするときに、狭い視野でしかアドバイスができない」と危機感を感じたんです。それで、学生起業や趣味など多様なことに挑戦しました。「しくみがわからないものを理解したい」という思いが強いので、いろんなビジネスも経験しましたね。その中のひとつが企業から不良在庫を買い取る業務で、この業界に興味を持ったんです。経営コンサルティング会社でリユース業界のコンサルティングを経験してから、今の事業を立ち上げました。

     起業後、危機を感じたことはありますか?

    佐藤 僕のコンプレックスでもあるんですが、大きい失敗をしてないんです。もちろん、小さなピンチはいくつかありますが、「会社がヤバイ!」みたいなことは無くて。中には「一度くらい失敗はしておいた方がいいよ」と言う先輩もいるし、そうなのかもなと思うこともあります。だけど、僕らはPOSという基幹システムを提供している企業。「システムが止まった」とか「明日から使えません」なんてことになったら、お客様にものすごく迷惑が掛かりますよね。だから、守りの姿勢を大事にするし、コードのクオリティにもものすごくこだわります。僕もメンバーも石橋を叩くタイプなので、ベンチャーにしては安定感がある組織かなと思います。

    08

    浅く広くより、何かひとつ「これだ」と言えるものを突き詰めてほしい

     関西で起業してよかったことはありますか?

    佐藤 東京で起業すると、周りの資金調達の状況や事業のフェーズを見て焦ってしまうこともあると思いますが、関西だと焦らず事業に集中できますね。周りを見ていると、関西の起業家は「なんのためにその事業をするのか」という軸をしっかりと持っている方が多いと感じます。「原体験があるから」など理由はさまざまでしょうが、みなさん高いモチベーションを持って自分のペースで事業をされていますね。

     最後に、これから関西で起業をしようとしている学生に向けてメッセージをお願いします。

    佐藤 起業して、馬力が必要だなと感じました。危機を感じたときすぐに動いてカバーできる力や、泥臭く行動できる力です。僕が今そうやって動けているのは、学生時代に学業、バイト、自分のビジネスのどれにも手を抜かず、当時は体力があったので睡眠時間を削りながら頑張った体験が、自信になっているからだと思います。大学3年生くらいまでは、とにかくたくさん行動していろんなものに触れてください。そして、4年生までに「これを突き詰めたい」と思えるものを見つけて、極めてほしいですね。最近は複数社でインターンをする器用な学生も多いですが、何かひとつを成し遂げたり突き詰めたりした経験がある方が、ぶれない自分の芯が生まれると思います。

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    チャレサポ面談
    writer_kuramoto

    ライター

    倉本 祐美加

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