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株式会社ネクイノ

代表取締役CEO 石井 健一

オンライン診察で新しい医療体験を創る! 急成長スタートアップの、サービスや組織へのこだわり

面倒で気が重く後回しにしやすい病院受診も、オンライン診察が受けられたら気軽かつ手軽になります。女性向けのオンライン診察アプリ「スマルナ」を提供するなど、医療空間と体験の再定義をミッションに事業を行っているのが、大阪に本社を置く株式会社ネクイノ(旧:ネクストイノベーション株式会社)です。代表取締役の石井さんに、サービスや組織づくり・採用におけるこだわりを伺いました。

現役世代のためのオンライン診察サービスを提供

 事業内容を教えてください。

石井 「世界中の医療空間と体験をRe▷design(サイテイギ)する」をミッションに、人々と医療の間にICTのチカラで橋をかける遠隔医療ソリューションを手掛けています。医療というと高齢の患者さんをイメージされるかもしれませんが、僕らがターゲットとしているのはバリバリ働いている現役世代の方。病気を治療するというより、現役世代がQOLを高めるためのサポートを目的としています。

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 具体的にはどんなサービスを提供されていますか?

石井 今のメインは、女性に特化したピルのオンライン診察アプリ「スマルナ」です。多くの女性にインタビューした結果、「体調に不安があっても、産婦人科のドアを開けることに対して抵抗感がある」という方が想像以上に多いことを知って。今ピルを飲まれている人だけでなく、受診や服用に抵抗がある方にも気軽に利用していただけたらと思ってサービスを提供しています。

 オンラインであること以外に、受診のハードルを下げるためにどんな工夫をしていますか?

石井 オンライン上で、診察室の手前に助産師と薬剤師を配置した相談室を設けています。たとえば「ピルを飲むと太るって本当?」「妊娠しづらくなるって聞いたんだけど…」という疑問をカジュアルに聞いてもらえる環境を作ることで、ピルに関する誤解を解いて、安心して診察に臨んでもらえるようにしているんです。

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忙しい医師のリソースを奪わずに運営できる体制を構築

 診察にあたる医師はどのようにして集めているのですか?

石井 日本には30万人の医師がいて、うち産婦人科医は1万人ほど。中でもフルタイムで働いている先生は約6000人と言われています。それだけの人数で、年間90万件のお産、年間20万件の婦人科系オペ、年間15万人の不妊治療を手掛けているから、ものすごく忙しい。だからこそ、子育て中の産婦人科医など、フルタイムで働いていない方の力を借りてサービスを運営しています。また、実はピルは産婦人科医でなくても処方可能である安全なお薬なんです。そのため、産婦人科医をコアにしつつ他の専門医にも集まっていただいて、適切な情報提供をしながら彼らにも診察にあたっていただいています。

 最近では、クリニックと連携してオフラインの拠点も作られているのですね。

石井 大阪市と福岡市に2拠点、「スマルナクリニック」を置いています。目的が3つあって、1つ目は僕らがオンラインのプレーヤーだからこそ、オフライン診察における課題やニーズの把握をすること。2つ目に、課題やニーズを吸い上げた上で医師と患者さんのコミュニケーションを最適化するための実証実験の場所が必要だったこと。そして3つ目が、オンライン診療を受けてくれている患者さんとリアルな病院の体験を繋げることです。ピルの処方はオンラインで完結するけれど、たとえば触診や検査はオフラインでしかできないわけで。オンラインで受診ハードルを下げた僕らだからこそ、「産婦人科に行くのが怖い」「先生とどう話をすればいいのかわからない」という患者さんに寄り添ったオフラインの拠点を作ろうと思いました。

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「サラリーマン時代に嫌だったルールは、会社に持ち込まない」

 いつから起業を考えていたのですか?

石井 就職活動時がITバブルの時期だったこともあり、起業に憧れていました。けれど、起業は手段なので、どんなビジネスをしようかと模索しながら製薬会社で働いていたんです。今の事業に繋がった経験としては、臓器移植のプロジェクトに関わったこと。移植成功後の患者さんが、遠方であっても手術医のところに毎回来院して診察を受けなければいけない状況を見て、医師と「地域の開業医で採血してもらえたら、患者さんの手間も減らせるのにね」と話していたのをきっかけに構想が生まれて。2015年8月、遠隔診療の実質的な全面解禁を受けて、構想をカタチにしました。

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 現在、社員数は59名ほどのことですが、組織づくりの上でどんなことを意識していますか?

石井 「用が無くても朝9時に出社」「お客様に会わない日もスーツ着用」「発言権が無いのに会議に呼ばれる」など、自分がサラリーマンのときに嫌だったルールは持ち込まないと決めています。また、フルリモート・フルフレックスを推進しているんですが、近頃は世の中にリモートワークが広がってきたので、僕らはリモートワークの向こう側を構想しています。僕もときどき気分転換のためにAirbnbで借りた家から仕事をするんですが、ハワイから働く社員や温泉旅館を渡り歩きながら働く社員がいていいと思うし、Work in houseに限らない働き方を作りたいですね。

 採用にあたって、大事にしていることはありますか?

石井 大阪はスタートアップが少ないからこそ、「あのスタートアップで、こんな実績を挙げました」という経験を持つ方の数も限られます。もちろん、実績のある方に絞って採用していく方法もありますし、経験者しか務まらないポジションもある。だけど、当社はこれまで未経験の方も積極的に採用してきました。なぜなら、経験や実績がある方も、どこかで「初めての経験」や「初めての成功体験」があって今があるわけでしょう。それなら、その初めての場所がネクストイノベーションでもいいんじゃないかと思って。もちろん、皆さん入社してから必死に努力してくれています。

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ひとりの女性の一生に寄り添えるような事業にチャレンジしていきたい

 事業のビジョンを教えてください。

石井 ひとりの女性が生まれて年を重ねる中で、常に横で伴走していけるようなプラットフォームを整備していきたいです。今は20〜35才あたりをターゲットにしたサービスを提供していますが、今後は10代向けの性教育に力を入れたり、次は妊活フェーズのお手伝いをしたり、その次だと更年期障害や生活習慣病のケアに寄り添えるサービスを作っていきたいと考えています。そして、サービスを運営していて思うのは、課題解決のために男性側の意識改革が必要な領域も多いということ。たとえば、娘さんを持つ父親に向けたセミナーなども開催しているのですが、そういった機会を積み重ねながら男性側の意識改革も進めていきたいです。

 関西で起業を考えている方に向けてメッセージをお願いします。

石井 東京に比べるとプレーヤーの数が少ない分、注目を浴びやすく、優秀な人材も集まりやすいと思います。また、大阪市さんなど「スタートアップ界隈を応援したい」という方からのご支援が多く、恵まれた環境です。それに、地域にしか存在しない課題もあって、そういった課題解決を行うプレーヤーも求められています。成功している他社のビジネスモデルを真似するのではなく、成功している企業が気付いていない課題とその解決策を見つけて、小さくビジネスを回すところから始めていくといいのではないでしょうか。

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ライター / 倉本 祐美加

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