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株式会社ジャパンイノベーション

代表取締役社⻑ 伊藤 英樹

うつ病の早期発見・早期治療を促し、誰もが自分らしく生きられる世の中を創る!58歳で起業した精神科医

学業や仕事で素晴らしい成果をあげたり趣味で打ち込んだりできるのは、心身の健康があってこそ。企業でもストレスチェックが義務化されるなど、メンタルヘルスの重要性は高まっています。しかし、まだまだ知らず知らずのうちに頑張りすぎて体調を壊してしまう人がいるのも事実。そこで役立つのが、手軽かつ正確に精神疾患の可能性を早期発見できる「精神疾患スクリーニングツール」です。開発したのは現役の精神科医、株式会社ジャパンイノベーションの代表取締役社⻑である伊藤英樹さんです。伊藤さんに、ツールの必要性や将来のビジョン、事業を支える会社のメンバーについて伺いました。

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Webで手軽に、うつ病の可能性を早期発見できるスクリーニングツールを開発

 まずは事業内容について教えてください。

伊藤 スマートフォンやパソコンで質問に答えていくだけで、スクリーニング方式により、うつ病を主とした精神疾患の可能性を早期発見できる「精神疾患スクリーニングツールを開発し、提供しています。私は精神科・心療内科を開業しており、約40万人の患者さんを診察してきました。その経験を元に3年間を掛けて開発したのが、このスクリーニングツールです。精神科医の診断と、テスト結果を照らし合わせた整合率は80%を超えています。

 どのようなきっかけから、ツールを開発されたのですか?

伊藤 以前とある企業様から、ストレス状態や精神疾患をチェックするためのアプリの共同開発の話を持ち掛けられました。その話は進まなかったのですが、精神疾患を発見できるツールのニーズや重要性を感じたため、クリニックが休みである土日の時間を遣って開発を始めたんです。当初は内科などのクリニックに導入してもらうつもりでした。なぜなら軽度うつ病は頭痛や胃痛、体のだるさなど身体症状として表れることが多く、まず内科に行く人も多いけれど、精神科医以外の医師はうつ病の診断ができないため、痛みに対処するお薬だけを処方するから。初診の患者さんに待ち時間を使ってWebで回答してもらうことで、身体症状に軽度うつ病が関係あるか無いかを踏まえて、より正しい診察や処方ができると思ったんです。

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現場の反応を受けて、クリニック向けから企業向けに転換

 クリニックに提案したときの反応はいかがでしたか?

伊藤 学会で発表したときも好評だったため、自信を持ってクリニックに営業に行ったものの、まったく売れませんでした。理由の一つは、このツールを導入してもレセプトの点数にならないから。もう一つはエリアによっては新患が少ないからでした。特に内科は、近所に住む顔なじみの人が年間数回訪れる場合がほとんどで新患はかなり珍しいそうなんです。だから必要性を感じてもらえませんでした。落ち込みましたが、ちょうど同じころ企業においてストレスチェックが義務付けられ、「健康経営」という言葉も聞かれるようになるなど、従業員の健康管理に積極的に取り組む企業が増えてきていました。そのため、企業向けのツールとして舵を切ることにしたのです。

 今は企業においてどのような用途で導入され、どんな声が届いていますか?

伊藤 従業員のメンタル不調管理ツールや、ストレスチェックとのダブルチェックツールとして導入いただいています。企業は産業医と連携を取っていますが、産業医の多くが内科医のためうつ病の可能性を判断するのが難しいんです。けれど、精神疾患スクリーニングツールを併用してもらえたら、軽度うつ病の可能性がある従業員の早期発見もしやすいので。特に、新型コロナウイルスによってリモートワークが進むなど働き方が急激に変化した現在は、従業員のメンタル管理が非常に大切だと思います。メンタルの異変に早期に気付くことができれば、軽度うつ病のうちに早期治療ができるので。早くから当社のツールを使っていただいている企業様は、「年々、高ストレスの従業員が減ってきている」と喜んでくださってます。僕らは、みんなが自分らしく生きていけるような社会を築くために医療と社会の橋渡しをしたいんです。

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将来的に目指すのは、精神医療のAI化

 今はどんなことに注力していますか?

伊藤 大学へスクリーニングツールの導入を促しています。コロナ禍で、大学生は授業開始が遅れたりリモートでの授業実施が続いていたりしましたよね。学校に行けない、人に会えないというストレスやそれに伴う将来への不安などが相当大きかったようで、2000人ほどの大学生にスクリーニングを実施したところ、40%の学生に軽度うつ病の傾向があることがわかったんです。これは大学側が早期に解決へ向けて取り組まなければならない課題だと思います。そのため、大学の健康管理センターと連携して、学生のメンタル状態を把握し早期に学生をケアできる体制づくりを進めています。

 将来のビジョンを教えてください。

伊藤 精神医療のAI化にチャレンジしていきたいです。AIは、膨大なデータを取り扱える上にデータに基づいた判断ができますよね。精神科医が問診で聞く質問項目や疾患別のフローチャートなどを作成できれば、AIが精神科医の代わりにスピーディかつ正確な診察を行うことも可能になります。そうした、社会にとってインパクトがあることを成し遂げていけたら理想ですね。

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「先輩方に比べれば、まだまだ若手」エネルギッシュに挑戦を続ける

 新しいことに挑戦するエネルギーと周囲を巻き込む力がすごいですね。伊藤さんは、なぜそれほどエネルギッシュなんですか?

伊藤 僕なんてまだまだペーペーですよ。私が敬愛してやまない日本を代表する建築家の安藤忠雄先生は、私より15歳年上なんですが、今でもあれだけの国内外での仕事を精力的に手掛けていらっしゃいます。とても真似できるものでもありませんし、足元にも及びませんがいつも感化されています。先生とは同じジムに通ってトレーニングしていますが、そこにいらっしゃる先輩諸氏も現役バリバリの方が大勢いらっしゃいます。その先輩方に比べると、「今の自分なんてたいしたことないな、もっと頑張らないかん!」といつも素直に原点に戻れるんです。39歳で開業医となり、58歳で(株)ジャパンイノベーションを起業しました。でもまだまだこれからもいろんなことに挑戦していきたいと思っています。

 最後に、これから関西で何らかの挑戦をしようとしている方に向けてメッセージをお願いします。

伊藤 「一生懸命勉強していい学校に入り、いい会社に入れば将来は安泰」という時代は終わり、個の時代になりました。得意なことがあれば、絶対に伸ばしてください。誰かに言われた通りの道を歩むのではなく、自分の頭で考えて突破力を持って進んでいく人が活躍できる時代だと思います。人生100年、失敗なんて恐れることはありません。頑張って参りましょう!

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ライター / 倉本 祐美加

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