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株式会社インゲージ

代表取締役 和田 哲也

2,300社導入のウェブ接客に欠かせないSaaSを提供。今も活きるゲーム開発で学んだ3つの要素とは

ECサイトで物を買って商品が届かないとき、あるいは業務で使っているツールでトラブルが起きたとき、電話やメールで問い合わせを行うとします。そのとき、親切で丁寧な回答があったら、その企業に対する印象が良くなりますよね。このように、“インターネット上での接客”と言える問い合わせ対応を、よりスムーズで気持ちの良いものにするために役立つのが「Re:lation(リレーション)」というクラウドサービスです。Re:lationを提供する株式会社インゲージの代表取締役・和田さんに、この事業を始めた理由やツールのこだわり、今に活きている会社員時代の経験を伺いました。

01

インターネット上の“接客”である問い合わせ対応をスムーズに

 まずは事業内容について教えてください。

和田 問い合わせ対応の課題を解決する、「Re:lation」というコミュニケーションクラウドを開発・提供しています。メールやチャットなどのコミュニケーションを伴う問い合わせ対応は、ネット時代の接客です。店舗における接客の重要性は理解されているのにもかかわらず、問い合わせ対応は長年軽視され、コストセンターだと思われてきました。しかし、商品・サービスだけで競争優位性を築くことが難しい今の時代、お客様にファンになっていただくにはきっちりとした問い合わせ対応が必須なんです。

 Re:lationの特徴を教えてください。

和田 一番は、メール・LINE・Twitter・チャット・電話・フォームなど、マルチチャネルからの問い合わせを一括管理できる点です。問い合わせの間口は広い方がいいとわかっていながらも、電話やメール以外の問い合わせ窓口を積極的に開設する企業は多くありませんでした。なぜなら、新たな窓口を作った分また別のツールで問い合わせ管理をしなければならず、管理コストが増えるからです。けれど、マルチチャネル対応のRe:lationならその心配も無く、顧客とのタッチポイントを増やすことができます。

 問い合わせ管理に目を付けたのは、どのようなきっかけからですか?

和田 それはアメリカで働いていたときに遡ります。アメリカのある有名な通販会社を利用して買い物をしました。ところが、到着予定日に物が届かない。問い合わせたところ、「今日発送しました」と返信があって、待ってみたもののやはり届かないということが何度も続きました。決してその会社の方がサボっていたわけではなく、当時その通販には注文が殺到しており、対応が間に合っていなかったのです。思い返してみると、別のサービスでも問い合わせたのに返事が無かったり、別の担当者から同じ内容の返信が来たりしたこともありました。そこで、問い合わせ管理に特化したサービスの必要性を感じました。

02

苦しんだ最初の3年間も、自分たちのサービスを信じていた

 現在、Re:lation導入企業は2,300社にのぼります。スタートから事業は順調でしたか?

和田 いえ、最初の3年くらいは本当にお客様が少なくて赤字続きでした。企業様向けのサービスなので、「いいサービスだけど、導入実績が無いものを使うことは難しい」と言われることが多くて。心が折れそうになりましたが、その度に原点に返り「ネット上でのビジネスが広がる中で、問い合わせ対応は絶対にもっと重要になる」と思い、前に進んできました。それに、導入してくれた企業様は喜んでくれて解約率もすごく低かったので、自分たちのサービスを信じることができたんです。すると、少しずつ問い合わせの数が増えていきました。

 今後のビジョンを教えてください。

和田 Re:lationは単なる問い合わせ管理ツールではなく、コミュニケーションの課題を解決するツールです。これまでも時代に合わせてコミュニケーションの方法が変わってきたように、5年後や10年後には新たなコミュニケーション手段が生まれることでしょう。けれど、コミュニケーションそのものは無くなりません。これからも、ビジネス活動におけるコミュニケーションの課題を解決できるプラットフォームをつくっていきたいです。

03

開発の基礎にあるのは、業務用ゲーム機開発時代に学んだ“3つの要素”

 これまでのキャリアの中で、特に現在に活きているのはどんな経験ですか?

和田 新卒入社した企業で、ゲームセンター向けの業務用ゲーム機を開発した経験です。開発を行う中で、業務用ゲーム機には「一目見ただけでやりたいと思える」「やり方が直感的にわかる」「終わった後にまたやりたいと思う」の3つの要素が必要だと実感したのです。この3つの要素は、Re:lationの開発を行う上でも意識しています。仕事は、1日の中で多くの時間を費やすもの。仕事で利用するITツールがわかりやすくて楽しいものであれば、モチベーションが上がって自然と生産性も上がるはずですから。

04

 大阪で起業したのはどうしてですか?

和田 アメリカで働いていたときに、同じ国内といえど時差があるほど離れた地域に住んでいるエンジニアを、リモートワークで雇用していました。その経験から、働くとしても起業するとしても、住む場所によるデメリットはないと思っていたんです。だから「商業の中心は東京だから、東京に行こう」など考えず、自然と出身地である大阪を選びました。とはいえお客様の半数以上は東京の企業様なので東京に拠点は置いていますし、今後も拠点の拡大を考えています。ただ、ここまでは大阪で会社を成長させてきましたし、大阪で働き続けていくことを希望するメンバーもいるので、大阪拠点は今後も置き続けます。

 最後に、これから関西で起業をしようとしている方に向けてメッセージをお願いします。

和田 起業志望なら、まずは企業で徹底的に働くことをお勧めします。僕はIT業界では遅めの40代で起業しましたが、企業で学んだことが起業後のサービス開発や組織マネジメントに非常に役立っているんです。特に、さまざまなメンバーと協力してプロジェクトを進めることや他部門との連携は、組織で働く中でしか学べません。どんなに素晴らしいアイデアがあって、事業がうまくいっても、会社を大きくしていくときには必ず組織運営の課題が出てきます。そのときに企業勤めの経験がしっかりと活かせると思います。

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ライター / 倉本 祐美加

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