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株式会社フツパー

取締役CTO 弓場 一輝

「まずは手を動かすこと。」勢いに乗るエッジAIスタートアップを支える、CTOのマインドセット

「はやい・やすい・巧いAIを。」をコンセプトに、食品工場や部品工場の検品業務における課題を解決するためのエッジAIソリューションを提供しているのが、株式会社フツパーです。モデル開発~運用支援までワンストップで担う姿勢が評価され、実績を積み上げています。そんなフツパーの技術部門を率いる取締役/CTO(最高技術責任者)の弓場一輝さんに、技術部門のこだわりや大切にしているマインドセット、今後のビジョンなどを伺いました。

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お客様の要望に応えるため、ヒアリングと現場視察を重視

 まずは、現在の役割と担当している業務内容を教えてください。

弓場 CTO(最高技術責任者)として技術全般を担当しています。フツパーのメンバーは現在3人で、代表の大西が経営面、黒瀬が営業面をメインで担当しています。基本的には、黒瀬が営業に行って興味を持ってくださったお客様がいたら、僕も同行して現場を視察したりヒアリングを行ったりします。検品業務を自動化する中でカメラを設置しなければならないため、どのスペースに設置できそうかを検討して、今のお客様のお困りごとにおける、どの範囲を当社のサービスで解決できるかを相談させて頂きます。その後、判定基準を作るために良品と不良品の画像を収集して、AIのモデルを試作して精度を確認するといったフローになっています。

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 フツパーには、どんな経緯で加わったのですか?

弓場 大西と黒瀬は、同じ大学・学部・学科の一つ上の先輩でした。大学のプログラムで一緒に短期留学にも行って仲良くしていたんですね。彼らは一足早く就職したんですが、僕が修士2年の夏に大西が「AIの会社を立ち上げようと思ってる」と話してきて。就職も決まっていたんですが、裁量権を持っていろいろな仕事をやりたいと思っていましたし、彼らと会社を立ち上げるのは面白そうだなと思って卒業後に参画しました。大西は一度イスラエルで起業した経験もあったので経営面に詳しく、黒瀬は就職先で営業をしていたので営業スキルがある。じゃあ僕は技術だろうと、そこから勉強をして今のポジションに至ります。

 プロダクトを作る際、どんなことにこだわっていますか?

弓場 当たり前のことですが、お客様の要望にきちんと応えることを大事にしています。たとえば、「良品と不良品を判別して、不良品を見つけたらアラートを出す」ことをお望みのお客様もいれば、「判別後の工程も自動化したい」など、お客様ごとに要望もAIに任せたい範囲も異なります。後者の場合は製造ラインの変更が必要など、より大きな範囲での話になって検討すべき事項も増えるんです。こうした違いがあるからこそ、丁寧にヒアリングをしてお客様のニーズを満たせるものを提供できるように心掛けています。

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経営層は同じシェアハウス。だから自然と何でも相談できる

 技術部門の構成や、開発体制について教えてください。

弓場 フルタイムは僕ひとりですが、インターン生が手伝ってくれています。彼らとはリモートで仕事をしているのですが、案件内容とお客様のご要望を説明したら「大丈夫です!作れます!」と即答してくれて、ものすごく優秀なんです。彼らは大学の専攻でAIを学んでいるので僕より深い知識もありますし、多少わからない部分があっても手を動かしながら試行錯誤していいものを作ってくれます。そんな彼らに負けないように僕も日々勉強を続けており、飲みの席ではいつも楽しく議論しています。

 大西様や黒瀬様とも、定期的にミーティングは実施されているのですか?

弓場 一緒に住んでるので、毎日しています(笑)。大西や黒瀬がお客様先に一人で行ったときには、「お客様の反応はこうだったよ。今後はこんな風に進みそうだよ」という共有をしてくれますし、現在は資金調達の準備中なのでその相談もします。時間を取って話すというより、食事をしながら自然に話すという感じですね。

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 開発過程では、どんなところに難しさを感じますか?

弓場 まず、難しいのは良品と不良品の画像収集です。良品と不良品を撮影してデータにするのですが、撮影環境がお客様先によって異なるので、柔軟に対応することが必要になります。また、案件によって必要なカメラの性能も変わります。人が顕微鏡やルーペを使って検品している製品には解像度の高いカメラが必要ですし、ラインの流れるスピードが早いものには1秒間に何千~何万のシャッターを切る特殊なカメラが必要です。その際、照明の調節にも工夫を凝らしています。さらに製品によっては、不良品が集まりにくいものもあるため、良品だけで異常を検知できるモデルを作成することもあります。いろんな現場を経験することで、こうした知見が得られていきますね。

 CTOとして大切にしているマインドセットについて教えてください。

弓場 まずは手を動かすことです。最初からうまくいくことは少ないですが、とりあえずやってみることで課題が明確になって、その課題をクリアし続けていくうちにいいものが出来上がりますから。僕は大学でAIを専攻していたわけではないですし、AI領域の天才たちに知識量では劣るからこそ、行動量を積み重ねることを意識しています。最近では、大きなプロジェクトにも参画させていただいたのですが、実績もまだ少ない僕らを選んでいただけたのは、お客様からの質問に即答したり、出された課題に一生懸命取り組んだりといった姿勢が評価されてのことだと思います。

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モデル開発~運用支援まで担える現場力を武器に、“AIと言えばフツパー”と言われる存在へ

 今後、注力して支援していきたい業界はありますか?

弓場 まずは製造業の中でも食品系です。たとえば、パンなどは同じ商品でも微妙に形が違うことが多く、センサーで判別するのが難しいんです。AIならそこをカバーできるので、お客様のニーズを満たすことができて導入が進んでいます。そして、鉄です。これは、先述の実証実験プロジェクトで知見が得られたので今後強化していきたいです。また、医療現場でもAIによって装置の監視を行い、異常が出たらアラートを出すというようなデバイスのニーズがあるようなので、今後対応できるようになりたいです。

 最後に、今後の目標を教えてください。

弓場 個人の目標としては、さらに多様な現場に行って知識を増やしていきたいです。また、AIの技術は2~3年前の当たり前がどんどん塗り替えられていて変化が速いので、学習し続けることは必須だと思っています。会社全体としては、“AIと言えばフツパー”と言われるような存在になりたいです。東京には、東大でAIの最先端の技術を学んで学習モデルを作っている企業も多くあります。彼らにかなわない部分はたくさんありますが、その技術を現場で活用できるように落とし込んで低価格でモデル開発~現場導入・運用支援まで担えるところは、フツパーならではの強みです。まずは製造業の多い大阪から、「はやい・やすい・巧いAI」を広めていきたいです。

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ライター / 倉本 祐美加

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