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INTERVIEW

実践的な日本語学習の機会を提供して、外国籍人材の就職を支援!教育×人材でのグローバルな挑戦

GEパートナーズ株式会社
代表取締役 木本 佑史

    「日系企業で働く」夢を持ち、専門スキルを磨いて日本語の読み書きを必死で習得。それなのに、「日本語を聞く・話す能力が不十分」という理由から、単純労働に従事せざるをえない外国籍の方がいます。彼らに対してオーラルコミュニケーションの学習機会を提供し、「実践的な日本語を身に付けて日系企業で活躍してほしい」と教育×人材紹介事業を行っているのがGEパートナーズ株式会社です。代表取締役の木本さんに、サービスのこだわりや展望、関西で起業してのメリット・デメリットなどを伺いました。

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    優秀な外国籍人材が日本でより活躍するための、機会と学習の場を提供

     まずは事業内容について教えてください。

    木本 優秀なエンジニアなど、高度な技術をお持ちの外国籍の方を日本企業に紹介する職業紹介事業と、1対1の日本語会話レッスンを提供する「日本語.COM」というサービスを運営しています。元々は職業紹介事業から始めたのですが、「技術力は素晴らしいしJLPT(日本語能力試験)でも優秀な成績を収めている。けれど、日本語の会話力が十分でないために日系企業へ就職できない」方が多いという課題に直面して、日本語.COMを始めました。

     外国籍の方向けの職業紹介事業は、どのようなきっかけから始められたのですか?

    木本 2010年ごろ、ベトナムでそろばん塾を起業したんです。ベトナムで日本語学校や大学の学生と出会い、優秀な方がこんなに多くいるのだと衝撃を受けました。彼らの多くは、日系企業で働くことを目指して日本語を学んでいます。それなのに、日本に来て単純作業のアルバイトに従事している方が多いという実態を知って。これは、彼らにとっても日本にとっても機会損失であるため、ハイレベルな方にはハイレベルな仕事を提供したいと思い、職業紹介事業を始めました。

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    読み書きだけでなく、日本語の話す・聞く能力を磨くためのサービス

     日本語.COMの特徴やこだわりを教えてください。

    木本 日本人講師との1on1レッスンで会話をしながら、実践的な日本語を学んでいただけることです。ビジネスシーンでの電話対応やメールの打ち方など生活に密着した日本語や、IT・金属加工など各業界用語の単語を勉強できる教材を用意しています。JLPT(日本語能力試験)がビザ取得や就職時の基準として使われ続けてきましたが、これは主に読み書きの能力のみを測るものです。それだけでは聞く・話す能力が十分に身に付けられません。そこで、日本語でのオーラルコミュニケーションの能力を測る独自の指標(仮称:JOT Japanese Oral communication Test)を作りました。企業側にもこの指標を説明し、「御社が求める基準はC1の能力の方なので、C1に合格した方を紹介しますね」などと人材紹介を進めています。

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     今、注力しているのはどんなことですか?

    木本 まずは日本語.COMのUIの改善です。一度レッスンを受けてくれた方のリピート率はすごく高いので、スムーズに初回レッスンを受けられるような導線を整備しています。他には、人材紹介事業とのリンクです。現在は、企業側が人材紹介事業の登録者(日系企業での仕事を探している外国籍人材)の履歴書を見て魅力的な人を探せるデータベースを試験提供しています。このデータベースと日本語.COMのシステムを繋げて、登録者の日本語レベルがリアルタイムに反映され、企業側が登録者の日本語会話レベルを把握できるような状態を作ろうとしています。

     今後の展望を教えてください。

    木本 日本語.COMはβ版として、一般の会員様と企業に所属する会員様に使ってもらって改善している最中なので、2021年春までには一旦β版のプロダクトを完成させたいです。現在は主にベトナムの方に使ってもらっていますが、日本語学習者の多い中国や韓国や台湾、東南アジアの他国やオーストラリアの方にも使ってもらえるように多言語対応なども行っていきます。

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    メンバー皆にある、強みや良さを活かせるような配置を

     木本さまの、これまでのキャリアを教えてください。

    木本 最初のキャリアは陸上自衛官からスタートしました。日々充実していたのですが、幹部候補生として入ったため、「30歳でこのポジション、50歳であのポジション」という風に人生設計が自然に決まってしまって。この先の人生が見えているのが窮屈で飛び出しました。大学時代までは教師志望だったこともあり、その後は学習塾向けの教材制作なども行う会社に入ったんです。このときの経験は日本語.COMのカリキュラムや学習設計にもかなり活きています。その後そろばんを海外で広めたいと思うようになり、ベトナムでそろばん塾を起業、そして今に至ります。

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     もともとベトナム語が話せたのですか?

    木本 いえ、話せないままベトナムに行きました。幼少期にシンガポールで過ごした経験があるからかもしれませんが、海外との国境の壁を感じないし、ボディランゲージを使えばなんとか伝わるだろうと思って。ベトナムの投資家に日本語でプレゼンもしましたよ(笑)。まさに高度経済成長の真っ只中である、ベトナムの国としての勢いや空気感には大いに刺激を受けました。

     ベトナムにも子会社があるようですが、現在はどのような組織体制なのですか?

    木本 メンバーは、エンジニアとビジネスサイドを合わせて20名ほどです。語学が堪能で、「自分自身が語学を学んできた経験を生かして、日本語.COMを使いやすいサービスにしたい」という思いを持ったインターンの子たちや、エンジニアとしての能力がとても高いのに語学力をネックに清掃のアルバイトをしていた外国人留学生などに手伝ってもらっています。意識しているのは、一人ひとりの強みが活きる仕事を任せることと、毎月1on1の機会を設けて雑談をしながらコミュニケーションを取ることです。

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    人情味のある大阪の企業が、ともにサービスを育ててくれる

     関西で起業してみてのメリット・デメリットを教えてください。

    木本 メリットは、お客様との距離が近いことです。とある大阪の企業様が外国籍従業員の方向けに、日本語.COMを法人契約してくださっています。営業が訪問すると、毎回「ここはもっとこうした方が使いやすくなると思う」などの意見をざっくらばんに話していただけるんです。このようなご意見は本当にありがたくて、すぐにプロダクトへ反映しています。こうした人情味のあるお客様が関西には多い気がします。一方、ファンドやVCの数は東京に比べて少ないため、エクイティでの資金調達は東京で行いました。

     2020年5月に資金調達をされていますが、VCさんとはどのようにして出会ったのですか?

    木本 VC一覧表を見て順にアタックしていきました。ファイナンス時期がコロナの影響が大きくなってきた2020年5月頃でしたので、多くのVCさんに見送られる中、即断即決をしてくれたのが今回のラウンドで投資していただいたQXLVさんです。QXLV(クオンタムリープベンチャーズ)さんはグローバルビジネスを展開するベンチャーを支援するVCで、ファンド組成直後にお会いできたこともタイミング的に大きかったと思います。投資実行後も2週間に一度面談の機会を設けてくださって、ビジネスモデルを磨くためのアドバイスをくれたり、お客様をご紹介頂けるなど、資金面以外でも手厚いサポートをしていただけて助かっています。起業したときはそれほどプレッシャーも感じず気持ちの変化も無かったのですが、エクイティで資金調達をしたときは本当に身が引き締まる思いでした。

     最後に、これから関西で起業をしようとしている方に向けてメッセージをお願いします。

    木本 外国籍の求職者の方は、日本人の何倍もの能力とハングリー精神を持っていると感じます。最近では日本で起業をする外国籍の方も増えてきました。私も同じくですが、同世代の外国籍の方々をライバルと見立てて、負けないような能力を身に付けるためにも、危機感を持ってスキルを磨き、やりたいことにはどんどん挑戦するマインドが必要だと思います。

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    チャレサポ面談
    writer_kuramoto

    ライター

    倉本 祐美加

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