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株式会社アースクリエイト

代表取締役社長 西宮 祥行

環境問題の最前線に立ち、CO2排出量を大幅に削減する新素材の普及で地球温暖化防止に貢献する

近年、地球温暖化や海洋汚染などの環境問題が深刻化しています。そのような環境問題に対し、地球温暖化防止に貢献し、燃焼時のCO2排出量を大幅に削減できる「STONE-SHEET®」の普及に取り組んでいるのが、株式会社アースクリエイト。代表取締役社長の西宮さんに、製品の特徴や事業を始めようと思ったきっかけ、今後のビジョンなどを伺いました。

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地球温暖化防止に貢献する「STONE-SHEET®」を展開

 事業内容について教えてください。

西宮 燃焼時のCO2の削減だけでなく、有毒ガスの発生を抑制する中和剤として利用することが出来る、炭酸カルシウムを主原料とした「STONE-SHEET®」の普及を目指しています。STONE-SHEETは、樹脂に炭酸カルシウムを50%以上混錬した樹脂複合材料で、可燃ゴミとして廃棄できるところが大きな特長です。
また、STONE-SHEETの燃焼時のCO2排出量は、ポリエチレンと比較して、LCA(*)ベースで55%削減できますし、燃やしてエネルギーリカバリーができ、あわせて海洋プラスチック問題の原因であるプラスチックごみが発生しません。

*LCAとは、ライフサイクルアセスメントの略で、製品・サービスの資源採集から廃棄されるまでの期間の環境負荷を定量化する指標。

2012年から大丸松坂屋百貨店さまの全店で、食品用保冷包装紙としてご利用いただいております。他にも各種フィルム・シートや農業用のフィルム、結束紐等の資材、食品容器・包装資材、化粧品・洗浄剤用容器等、各種プラスチック製品の代替品として幅広く利用が始まりつつあります。

 この事業を始めようと思ったきっかけは何ですか?

西宮 「STONE-SHEET®」の前身となる素材を造っていた台湾メーカーの輸入代理店になったのがきっかけです。その後、国産化する必要性を強く感じ、大阪大学大学院工学研究科高分子工学専攻の宇山浩教授を技術開発担当取締役に迎え日本市場にあった製品を造りました。
事業として大きく成り立つと感じたのは、日本政府が、パリ協定(2015年12月採択)に基づく長期戦略として、2030年度の温室効果ガスの排出を、2013年度基準で26%削減することを中間目標として定め、政府ヒアリングが始まった頃です。STONE-SHEETは、2015年第11回LCA日本フォーラムで奨励賞を受賞しており、パリ協定に対応できるプラスチック製品に置き換わる製品として注目していただいていましたので。

 現在注力しているのはどんなことですか?

西宮 製品の品質を保持し、安定的に供給する体制を構築するために、STONE-SHEETの自社生産を始めます。岡山県新見市に、素材である炭酸カルシウムを主原料としたマスターバッチ工場を新設します。2020年8月に地鎮祭を実施、2021年の夏には完成する予定です。

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日本だけでなく、世界に役に立つ事業だと実感

 製品の普及だけでなく、環境シンポジウムを実施するなど精力的に活動されていますよね。

西宮 はい。2018年4月22日のアースデイより、Earth Day Osakaを主催しています。本年2021年は、環境省、経済産業省、大阪府、大阪市、岡山県、岡山県新見市、日本経済新聞社、日刊工業新聞社、毎日放送他、大阪商工会議所、大手企業より後援を頂き、各界の著名人に登壇・講演をしていただきます。また、2020年6月5日に、「Stone-Sheet」の普及に取り組む環境団体「Calcium Carbonate Composite協会(CCC協会)」を設立しました。理事長には棚橋祐治氏(元通産省 事務次官、石油資源開発(株)元社長)が、顧問には山本良一氏(東京大学名誉教授)が就任し、地球環境保全に貢献できる「Stone-Sheet」の普及を目指しております。

 そのような活動を通じて、どのようなことを感じられていますか?

西宮 「環境」というキーワードがこれほど多くの共感を呼び、産官学の重鎮が役員や顧問として参画してくれるとは思いもよりませんでした。また、当社は2019年りそな銀行と株式会社で初めて包括連携協定を締結し、金融面だけでなく経営面を含めて支援をいただいております。改めて、当社の事業が日本のお役に立ち、ひいては世界に役に立つ事業なのだと実感しています。

 事業に懸ける思いや将来のビジョンを教えてください。

西宮 今後は、プラスチック製品市場の一部を代える市場構築を目指します。まず2023年を目処に各種製品の標準規格の設定や、各種開発製品の特許取得を目指します。また、EXPO2025では、「プラスチックごみを万博会場から出さない!」というPLL(People’s Living Lab)提言書をりそな銀行と共同提案しています。そして、2050年度のCO2排出量ゼロに貢献したいと考えています。

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世の中の役に立てるのかどうか、が重要

 起業して良かったことを教えてください。

西宮 環境問題の最前線に立って仕事ができること、それにともなって多くの人と出会えたことです。私自身が講演する機会をいただくことも増えてきました。そこでSTONE-SHEETや環境経営について話をすることで、世の中のお役立ちができているのかな、と思っています。

 関西で起業して感じたメリットとデメリットを教えてください。

西宮 メリットで言うと、私は大阪で生まれ育ったので、関西に友人知人が多いことです。いろいろな人に助けてもらっていると感じています。皆さんが当社の事業に共鳴して「一緒にやっていこう!」と伴走してくださるのは関西ならでは、と思います。デメリットは市場が小さいこと。例えば、大阪の展示会で「月10トン」と言って100社と名刺交換しても、残るのは1社か2社くらいです。一方、東京では「月100トンからお願いできますか?」と言われることもあります。そんな言葉を聞くと、関西と関東の市場の大きさの違いを感じます。

 最後に、起業志望の方へメッセージをいただけますか。

西宮 世の中のお役立ちができるかどうか、が重要だと思います。世の中の役に立てる事業であれば、事業計画書を作ることが可能です。そうして作った事業計画書は、官公庁や金融機関から認められるものになるでしょう。「世の中のお役に立つのか」、「事業として成り立つのか」、「市場を開拓できるのか」。この3つが揃っていれば、オンリーワン企業を目指して1歩踏み出してみてほしいと思います。

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ライター / 水本このむ

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