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INTERVIEW

世界中の人に、洋服を選ぶ感覚で着物を手に取って欲しい。5分で着られる三部式着物「driccoきもの」とは

株式会社dricco
代表取締役 岩崎 絵美

    多くの人が「着物はハレの日に着るもの」「特別なもの」と認識しています。しかし、近年、着物に興味を持つ若い女性が増えつつあります。着物は高いからレンタルだけ。自分で着られるか不安。そんな人にも手頃に気軽に着物ライフを楽しめる「三部式着物」が京都で生まれました。開発・販売を手がけるのが株式会社dricco。代表取締役の岩崎さんに、製品の特徴や今後の展開、起業の経緯などを伺いました。

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    「ここまで簡単でキレイに着られたら、もう普通の着物に戻れないかも」

     まずは事業内容について教えてください。

    岩崎 着物に対して華やかできれいという印象を持つ反面、面倒くさい、自分で着られない、着付け代が高いなど諦められていた女性も多くいます。そんな女性たちに「もっと気軽に着物を着てほしい」という思いから、三部式着物「dricco(ドリッコ)きもの」を開発しました。現在は、driccoきものの販売やレンタルを行っています。2020年4月からは、お客様がお持ちのタンスに眠っている着物を三部式着物に仕立て直すサービスをスタートしました。

     driccoきものにはどんな特徴があるのですか?

    岩崎 driccoきものは、上衣、下衣(巻きスカート)、おはしょりベルトと三部式の構成で、着方さえ学べば一人で簡単に、5分ほどで着られる着物になっています。しかも長襦袢や和装小物を必要としません。着付けを学ばなくても誰でも簡単に着物が着られて、簡単に着られるのに着姿が本物というのが最大の特徴です。最初は着物に慣れていない人のために開発しようと考えていたのですが、今では着物に親しんだ人たちからも「ここまで簡単でキレイに着られたら、もう普通の着物に戻れないかも」といった声をいただきます。洋服を選ぶ感覚で着物を手に取ってもらえたらうれしいです。

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     driccoきものが生まれたきっかけを教えてください。

    岩崎 フリーのアナウンサーをしていた母が17年前に、着物文化の振興と京都PRを目的としたNPO法人「京小町踊り子隊」を立ち上げました。振り袖姿の女性がエネルギッシュな踊りを披露し、日本だけでなく世界各国に遠征し活動している組織です。私も初期メンバーとして踊っていました。その中で早変わりの衣装としての着物を作れないかというところから、三部式着物の着想を得ました。京都造形芸術大学服飾デザイン科の教授に相談し、1年間試行錯誤を繰り返し実用新案登録を取得、現在の形になるまでは約3年かかりました。

     今後のdriccoきものの展開を教えていただけますか。

    岩崎 2020年10月から京都高島屋での常設が決まりました。それと京都発のdriccoきものをより多くの人に知ってもらうために、大阪府立登美丘高校ダンス部の「バブリーダンス」を振付したことでも有名な振付師akaneさんに、京小町踊り子隊の振付をしてもらい、driccoきものを着て京都らしい場所で踊る様子を発信していく予定です。その発信を機に、2025年の大阪万博のパビリオンに立つ女性たちの制服にdriccoきものを採用してもらえないかと考えています。将来的には、海外に駐在の方など日本を愛している方にも広めていけたらいいなと思っています。

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    アナウンサーと起業家、「両方本業です」と胸を張って言えます。

     どうして起業しようと思ったのですか?

    岩崎 実は起業をするなんて夢にも思っていませんでした。driccoきものを開発した当初はNPO法人で普及していこうと考えていたのですが、少しずつ購入してくださるお客様が増えロコミが広がり始め、本格的にビジネスとして展開していくために、2018年10月に株式会社として起業しました。その際「これからはあなたの世代でしょ」と背中を押され、私が社長、母が会長を務めることになったのです。

     起業前はどんな仕事をされていたのですか?

    岩崎 ディレクターの父、アナウンサーの母を見て育った私は、子どもの頃からアナウンサーになりたいと夢を語っていて、実際に大学卒業後すぐにアナウンサーになりました。人と話すのも好きだし、人前で話すことも緊張しない。アナウンサーは天職だと思っています。今も経営の傍ら、フリーのアナウンサーとしても仕事をしています。

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     アナウンサーと起業家、二足のわらじでスタートされたのですね。

    岩崎 「二足のわらじって大変でしょう」と言われることも多いのですが、いざスタートしたら両方がすごく楽しくて。この二足のわらじって相乗効果があって、両立しているからこそ気付けることもあると思います。今はすごくバランスが良くて「両方本業です」と胸を張って言えます。

    LED関西に出場したことで、起業家としての一歩を踏み出せた。

     起業して良かったことを教えてください。

    岩崎 商品の良さを追求し、どんな人に向けて何を伝えるべきか、より深く考えるようになったことと、仲間が増えたことです。志を同じくする仲間に出会い、横のつながりができて、日々が活気づいたと感じています。ビジネスプラン発表会「LED関西」に出場したことも転換点でした。同じ目標に向かって頑張る仲間や主催者、アンバサダーの皆さんの一言一句が胸にささり、めらめらとやる気がわき自分の意識を変える大きなきっかけになりました。LED関西に出場したことで、起業家としての一歩を踏み出せた気がします。

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     関西で起業して良かったことはありますか?

    岩崎 起業したいと思っている人と出会う機会が多く、ちょっと背伸びをすれば相談できる起業家の先輩がたくさんいるのが関西の良いところ。そういう人たちからリアルな話を聞けたのはありがたかったです。また、京都府や京都市はスタートアップへの支援に積極的なので、いろいろと利用できる制度もあるので助かります。

     最後に、これから関西で起業をしようとしている人に向けてメッセージをお願いします。

    岩崎 起業するのは不安なことだらけだと思います。でも「できない」や「どうすればいいのか分からない」ではなく、スタートアップの起業支援施設に行って話を聞いてみたり、ビジネスコンテストに出場してみたり、まずは一歩踏み出してみてください。そうすれば自分のやりたいことやビジョンが明確になり、好きなことや得意なことを選択した上で起業にチャレンジできるのではないでしょうか。

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    チャレサポ面談
    水本このむ

    ライター

    水本このむ

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