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INTERVIEW

32年間勤めた会社を退職して起業!独創的で新しいカラオケ体験を生み出した起業家のこだわり

ドクエン株式会社
代表取締役 下村 勝

    カラオケに行ったことのある人なら皆、「誰も私の歌を聞いてくれていない...」はたまた「どうやってノッたり合いの手を入れたりすればいいのかわからない」「ずっとタンバリンを叩いて盛り上げるのに疲れた」などと思ったことがありますよね。そんな不満を解消し参加者全員で盛り上がることができるのが、リズムゲームとカラオケを組み合わせた「ゲームカラオケ」です。32年間勤めた会社を退職して起業し、ゲームカラオケを開発したドクエン株式会社の代表取締役・下村さんに、ゲームカラオケのこだわりやエンターテインメントの道に進んだ原体験などについて伺いました。

    01

    社名は「独創的なエンターテインメントをつくる」という思いから

     まずは事業内容について教えてください。

    下村 「独創的なエンターテインメントをつくる」という目的を持って事業をしていまして、社名の「ドクエン」もこの思いから名付けています。メインサービスは、カラオケとリズムゲームでライブ体験ができる「ゲームカラオケ」です。ゲームカラオケは現在、大阪の「カラオケまねきねこ なんばHIP店」で体験していただけるようになっていて、今後は東京、そして全国のカラオケボックスに導入を目指しています。

    02

     ゲームカラオケの遊び方について教えてください。

    下村 ゲームカラオケは、歌を歌っている人以外のメンバーが、カスタネットやドラムをモチーフにしたデジタルの打楽器で演奏に参加できるものです。昔から、新しい遊びや面白いことは無いか、常に探し続けているのですが、音楽が好きでバンドも組んでいたことから、ふと「リズムゲームに合わせて歌ってみたら面白いのでは?」と思い付き、試してみたんです。すると、バンドで歌うような気分を味わうことができて。交代して、次は友達の歌に合わせて自分がリズムを叩いてみたら、これまたバンドで楽器演奏をしている感覚になれたんです。この体験から、リズムゲームとカラオケを組み合わせることで、新しいカラオケ体験をつくれるのではないだろうかと思い付きました。

    08

    リアリティのある環境で気軽にバンド体験ができる、新感覚の「ゲームカラオケ」

     ゲームカラオケのこだわりを教えてください。

    下村 まずは音のクオリティです。ゲームカラオケを体験できる部屋にはたくさんのスピーカーを設置しているのですが、ドラム用のスピーカー、ギター用のスピーカーなどに別れているんです。リアルな音を追求することで迫力を増し、バンドで演奏している気分になってもらえればと思いました。また、セットリストを組んで演奏できる方式にして、「ラスト1曲はアンコール扱いとなり、それまでの演奏が優秀な場合にのみ演奏できる」というルールにしています。あとは、操作性ですね。たとえばカラオケに合わせてギターを弾く体験ができても面白いものですが、一気に参加の敷居が上がってしまいますよね。だからこそ、リズムに合わせてボタンを叩くだけの簡単な操作で参加できるようにしています。

    07

     ゲームカラオケなら、家族や友達、職場の人とのカラオケがこれまで以上に盛り上がる気がします。

    下村 バンドでボーカルをするときとカラオケで歌うときの違いって、周りの人が自分の歌に興味を持って耳を傾けてくれるかどうかだと思うんです。カラオケだと、1人が歌ってる間、他の人はスマホをいじったり、選曲をしたりしていて聞いてない場合が多いじゃないですか。反対に、上司を盛り上げねばとタンバリンを叩き始め、止めどきがわからなくなって疲れる若手社員もいるでしょう。ゲームカラオケなら、みんなで同じ曲を演奏できますし、「ここでリズムを叩く」というタイミングも決まってるので、誰もが参加しやすいと思います。

    03

    75才になってもイキイキと働く自分でいるために。32年間勤めた会社を退職して起業

     これまでのキャリアと、起業に至った経緯を教えてください。

    下村 学生時代にルービックキューブが流行っていたんですが、私も魅了されて。人気だったのでどこも売り切れ状態でしたが、どうしても手に入れたくて何軒もおもちゃ屋さんを回ったんです。このときの、新しい遊びに強く心を突き動かされるという経験が忘れられなくて、自分も新しいエンターテインメントをつくり提供する側になりたいと任天堂に入社しました。私が入社する前年にファミリーコンピューターが発売された頃です。そのまま32年間勤めて、家庭用ゲーム機のハードウェアや周辺機器の開発などに携わりました。起業を考えたのは、家庭用ゲーム機の枠にとどまらずにエンターテインメントを作りたいという思いが強くなったから。社内でも一番気が合う優秀な仲間をパートナーとして誘い、起業することにしました。

    04

     32年間1社に勤められてからの起業は、勇気の要る決断だったように思えるのですが。

    下村 社内で与えられた役割を全うするために名古屋商科大学でMBAを取得したのですが、そのときは大学院で出会った仲間が起業するのを見ても、凄い!けど、自分は関係ないと思っていました。前職では、ありがたいことに、さまざまなポジションで開発や組織運営のことを勉強させてもらっていましたし。その後何年かして、大きなプラットフォーム立ち上げの業務が一段落つきそうになった時に、これまで学んだことを活かして、何か新しいものを作りたいという気持ちが少しずつ強くなりました。あと、娘がちょうど大学を卒業して就職したタイミングだったので、親の責務はひとまず果たせたかなと思えたのも起業に踏み出せたきっかけのひとつでした。私は、120才まで生きる構想を持っています。おそらくあと数年か数十年経つと、医療がさらに進化して人が今以上に長生きできる時代が訪れる気がしていて。120才まで生きると考えると、50代なんてまだ折り返し地点だし、あと20〜30年は元気に働かなきゃいけない。会社だとどうしても定年制度などがあるので、75才になってもしっかり働いている自分を想像したときに浮かんだのが起業している姿だったんです。

    06

     新しいアイデアを生み出すために、日々意識していることはありますか?

    下村 まずは先入観を持たず体験をしてみて、後で分析することです。映画を見るときもテーマパークで最新アトラクションを試すときも、先入観を持たず無心で体験してみて、自分の感情が「楽しかった・怖かった・おもしろかった・びっくりした」などのどれに触れるかをセンシングするんです。そして、体験し終わった後に「なんで楽しいと思ったんだろう」「なんであそこで驚いたんだろう」と考えて、論理的に分析していくようにしていますね。

    起業は思い通りにいかないことばかり、どれだけ諦めず粘り続けられるか

     事業の、今後の展望を教えてください。

    下村 カラオケ好きなお客様は、「自分の好きなアーティストの、アルバムの●曲目を歌いたい!」といったニーズを持っているので、対応曲数を増やしていきたいです。そして、ゲームカラオケを遊べる店舗を増やせるよう、全国に広めていきたいですね。社名の通り、独創的なエンターテインメントをつくるために起業したので、ゲームカラオケの事業が軌道に乗れば、次の今までにないエンターテインメントづくりにも着手していきます。

     起業を考えている方にアドバイスをお願いします。

    下村 「こうすればうまくいくだろう」と思ってやってみても、実際は思い通りにいかないことや結果に結び付かないことがほとんどだと思います。でも、粘っているうちに手助けしてくれる人が現れるし、諦めずに試行錯誤を続けていればときどきうまくいったりもする。提携先や取引先だって、たとえ1社から断られても、別のところにアタックしていけば“拾ってくれる神”も出てくるものです。起業するなら、失敗しても粘り続けられるタフさは必要だと思いますね。

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    チャレサポ面談
    writer_kuramoto

    ライター

    倉本 祐美加

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