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INTERVIEW

宿泊業の経営を改善するクラウドシステムを提供!その先の地域活性化も目指す、フルリモートの組織とは

株式会社AZOO
代表取締役 横田 裕子

    日本の宿泊業の生産性はアメリカの1/3程度と言われていますが、宿泊業界内でも大きな差が生まれています。大手のホテルがテクノロジーを導入しオペレーションやマーケティングを進化させている一方、中小のホテルはいまだに紙文化も多く残っています。テクノロジーのサポートが受けられず、煩雑な業務に囲まれ、勘頼みのマーケティングをせざる終えない状況だからです。株式会社AZOOは、そんな中小のホテル向けに、手ごろで便利なクラウドシステムを提供しています。代表取締役の横田さんに、サービスの特徴やこれまでのキャリアを伺いました。

    01

    ホテル運営に必要な機能をぎゅっとまとめたクラウドシステムを提供

     まずは事業内容について教えてください。

    横田 ホテル向けのクラウド型システム「WASIMIL(ワシミル)」を提供することで、ホテルにおけるオペレーションの効率化を支援しようとしています。WASIMILのプロトタイプはすでに開発できていますが、現在実証実験中でβ版ユーザーの事前登録を開始したところです。システム提供の他に、不動産系企業やEコマースを運営している企業に対して、デジタルマーケティングのコンサルティングも行っています。

    02

     WASIMILが生まれた経緯を教えてください。

    横田 中小ホテルをターゲットにしているのですが、中小のホテルにはテクノロジーのサポートが行き届いておらず、今でも紙文化で、テクノロジーを活用した業務効率化に取り組めていません。なぜなら、高機能なシステムを導入するには初期費用も利用料も多額の費用が必要だから。比較的安価なシステムも出てきてはいるものの、機能的には限られており、結局はホテル側が複数のシステムを導入してそれぞれログインしなければいけない現状があるんです。そうした不便を解消したいと思い、宿泊管理(PMS)、サイトコントローラー、レベニューマネージメント、自社予約システム、顧客管理(CRM)とマーケティングといったホテル運営に必要な機能を1つにまとめたWASIMILを開発しました。

     業務効率化を助けるだけでなく、接客やマーケティングにも役立てることができるようですね。

    横田 チェックインされたお客様がリピーターであるかどうかの判別を、ホテルマンの記憶に頼っている中小のホテルも多いのですが、予約者情報を管理できるようになれば、誰がリピーターで何度目の利用で前回はいつ来たのかを把握した上で接客できるようになります。ホテル側が見るべきレベニューマネージメントの指標をまとめたレポートも自動生成できるので、「どの予約チャネルが好調か」などを掴めるようになり、次のマーケティング施策を考えやすくなるんです。

    03

    稼働率が低迷している、地方や中小のホテルを支援したい

     なぜ、この分野に着目したのですか?

    横田 経営パートナーである創業者が、不動産とデータサイエンスの分野で経験とスキルを持っていたことが理由のひとつです。日本の不動産業の中ではホテル業が大幅に伸びているものの、大手ビジネスホテルは稼働率9割ほどである一方で、地方や中小のホテルの稼働率は40%ほどにとどまっており廃業も多いなど、大きな差があって。テクノロジーを提供できれば、中小のホテルの稼働率アップに貢献できるのではないかと思ったんです。最近は、地方を盛り上げようとコンセプトが立ったライフスタイルホテル、ブティックホテルを開く若い方も増えてきているので、手助けができたらいいなとも思いました。

     今はどんなことに注力していますか?

    横田 プロトタイプが完成したので、トライアル利用してくださるユーザーさんの声を聴きながらシステムを改善していきたいです。システムを活用して忌憚無い意見をくださるパワーユーザーさんはまだまだ募集中ですので、もし読者の方々の中に宿泊業関連の方がいらっしゃればぜひお声がけください。

    05

    夫婦で共同経営。開発メンバーは海外からもフルリモート勤務

     横田さんのこれまでのキャリアを教えてください。

    横田 大学卒業後はメディア業界に就職して映像編集をしていたんですが、周りと比べたときに自分の能力の限界を感じて。「この世界で生き残っていくのは難しい。ニッチなスキルを身に付けよう」と思い、退職してインドネシアに向かいました。インドネシア語を習得後、東南アジアの環境問題の改善を支援する仕事を環境省でしたり、日本の環境ビジネスがインドネシアに進出するための支援をしたりしました。帰国後、現在の経営パートナーでもある夫と出会って。最初は彼が1人で経営できるようにサポートするつもりでしたが、外国人である夫が日本で起業するには融資や制度の面でさまざまな壁があることを知り、私も代表取締役として参画することにしました。

    06

     夫婦でどのように役割分担を行い、どのようなチームで事業をされていますか?

    横田 夫はプロダクト開発とマネジメント、私は営業などを含めたビジネス開発を担当しています。開発は海外のエンジニアも参画し、完全リモートで行っています。海外エンジニアとは、英語でコミュニケーションを取れる上にとっても優秀なので、スムーズに意思疎通できていますよ。オンラインでチームを率いるのは難しいイメージがありますが、プロジェクトマネージメントツールを活用し、チーム内のDemo Dayを作るなど独自のカルチャーを築きながら、運営しています。

     過去のキャリアの中で、今に活きていることはありますか?

    横田 キャリアの大半を1〜3年契約のプロジェクトベースで仕事に携わってきました。もちろん、1社に勤め続けてスキルアップしていける人はそれで素晴らしいです。私の場合は、そのとき必要だと思うスキルを身に付けられる場所に飛び込んで、短期間で成果を出すことを何度か経験してきました。ニッチなスキル同士が掛け合わさると、意外と稀有な人材になれると思います。プロジェクトベースでの働き方は正社員に比べると安定したものではないので、こうしたキャリアを経験する中で一歩踏み出す怖さがだんだん薄れていったように思います(笑)

    08

    取得したデータを活用して、将来的には“地域単位”で盛り上げたい

     今後のビジョンを教えてください。

    横田 まずはWASIMILを展開していき、中小のホテルがオペレーションやマーケティングにおける課題を解決できるよう支援していきたいです。多くのホテルでWASIMILを導入いただけたら、同一エリア内のホテルのデータを統合することで「どこの国の、どういった嗜好性を持ったお客様が天橋立エリアに多く訪れているか」といったデータも導き出せるようになります。そういったことが明らかになると、地域全体のプランニングや観光業を通じた地方創生もできるようになりますよね。データを活用して世の中に貢献していけたらと思います。

     起業を目指す方に向けてメッセージをお願いします。

    横田 いきなり起業するのではなく、最初はコミュニティに飛び込んで仲間を作ったり、副業でジョインしてみたりしながら、自分に合う場所を探してもいいんじゃないでしょうか。私は自分に無い能力を持っているパートナーに出会えたからこそ経営者になれたので、いいパートナーを見つけることも大事かなと思います。そのうえで、起業前後に困ったことがあれば、支援団体などを積極的に頼ることをおすすめします!

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    チャレサポ面談
    writer_kuramoto

    ライター

    倉本 祐美加

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