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株式会社STRK
代表取締役 我時朗(本名:佐藤 隆史朗)
こんにちは、関西スタートアップニュース編集チームです!
ここ数年で、AIは非常に身近な存在になりました。今や、PCやスマートフォンには当たり前のようにAIが搭載されており、私たちの便利な生活を支えています。また、ビジネスシーンにおける活用範囲も広がっており、ニッチな領域にもAIが活用されるようになっています。
今回は、そんなAIの市場規模や現在のトレンド、今後の動向について解説いたします。
<目次>
AIの市場規模
AI市場のトレンド①機械学習自動化プラットフォーム
AI市場のトレンド②画像認識
AI市場のトレンド③エッジAI
AI市場、今後の動向
まとめ
IT業界に詳しい調査・コンサルティング企業であるITRが、2020年11月17日にAI関連の主要8市場における市場規模の推移と予測を発表しました。*1
AI関連の主要8市場の内訳は以下のとおりです。
画像認識
音声認識
音声合成
テキスト・マイニング/ナレッジ活用
翻訳
検索・探索
時系列データ分析
機械学習自動化プラットフォーム
ITRの調査によると、2019年度のAI市場は前年度比37.8%増の384億500万円であり、大幅に伸びています。AI技術の進歩に加えて、各種製品・サービスと組み合わせたソリューションの拡大が成長の背景になっているとのことです。また、ITRは今後のAI市場のCAGR(年平均成長率)を20.6%と見ており、2024年度には980億円に達すると予測しています。
昨今のAI市場で注目を集めているのが、機械学習自動化プラットフォームです。先ほどご紹介したITRの調査結果においても、前年度比95%増と最も伸びている市場となっています。
機械学習とは、AIが大量のデータからルールやパターンを学ぶ技術です。AIを活用する上で必要不可欠な技術ですが、世界的に見ても機械学習を扱えるIT人材が不足しており、AIを導入できない原因になっています。
機械学習自動化プラットフォームは、機械学習を自動化・簡素化することで、機械学習に必要な時間やスキルを短縮するサービスです。データサイエンティストといった専門的なIT人材でなくても機械学習ができるようになるため、AIを導入するハードルが低くなります。機械学習自動化プラットフォームがさらに普及することで、あらゆる企業や組織がAIを活用できるようになるでしょう。
ITRの調査結果によると、上述した機械学習自動化プラットフォームに次いで伸びている市場が画像認識です。前年度比で70.4%と大幅な増加傾向にあります。
画像認識は、従来からAIの用途としてメジャーなものではありますが、技術の進歩によって活用範囲が広がっていることが市場の伸びに影響しています。AIによる画像認識の例は、製造業での不良品判定や故障の予兆検知、医療での病理判定、インフラの検査、無人レジ、顔認証システム、自動運転などが挙げられますが、今後もさまざまな場面で活用されるようになっていくでしょう。*2
関西スタートアップニュースがインタビューを実施した企業の中にも、AI画像認識を使ったサービスを提供している企業があります。
「株式会社Anamorphosis Networks(アナモルフォシスネットワークス)」では、「誰でも使えるAI」をコンセプトにしたAIプラットフォーム「OpenPoc」を運営しています。主力製品は、画像認識技術を用いて不良品の検出や異物混入を発見するもので、主に自動車メーカーや食品メーカーなどの製造業向けに提供しています。AIのソフトウェアは同社のHPから無料でダウンロードができ、本格的に導入する前に気軽に試せることもメリットの1つです。*3
AI市場のもう1つのトレンドはエッジAIです。エッジAIとは、デバイスにAIを搭載して学習や処理をさせる技術で、IoTと深い関わりがあります。
IoTではさまざまなデバイスからクラウド上にデータを収集して処理しますが、データを行き来させるため時間がかかる、データ通信量が多いといった課題がありました。しかし、エッジAIであればデバイスのAIがデータを即座に処理できるため、リアルタイム性が増します。また、処理した後の必要なデータだけをクラウドに送ることで、データ通信量を抑えることができます。*4
また、エッジAIは安価な傾向にあり、導入コストを抑えてAIを活用できます。IoT市場の拡大やAIを導入する企業の増加に伴って、エッジAIの需要は増していくでしょう。
関西スタートアップニュースがインタビューを実施した企業の中にも、エッジAIを使ったソリューションを提供している企業があります。
「株式会社フツパー」では、食品工場や部品工場における検品業務など、人が目視で行っていた作業の現場にAIを搭載したデバイスを設置し、画像認識処理を実行するサービスを提供しています。小型のデバイスを設置するだけでAIを活用できるため、初期投資を少なく抑えられます。そのため、中小企業であっても導入がしやすく、大幅な期間短縮と業務負担の軽減を実現できます。*5
AI市場は順調に拡大しており、従来はAIを活用できていなかった領域にも広がっていくことが予測できます。AIの導入においては、AIを使いこなせるIT人材の不足や導入コストがネックになっていましたが、上述した機械学習自動化プラットフォームやエッジAIが普及することによって、あらゆる企業や組織がAIを導入できるようになることが期待できます。いずれは、AIをビジネスで活用することは当たり前になるかもしれません。
また、IT技術の普及に伴って年々データが増加していますが、これらの複数のデータをかけあわせた分析のニーズが高まっています。そのため、時系列データ分析の市場が今後伸びるのではないかと予想されています。
本記事では、AIの市場規模や現在の3つのトレンド、今後の動向などについて解説しました。AIは今まで以上に身近な存在になり、あらゆる領域で活用されるようになるでしょう。
今後、ビジネスで成果を上げるためには「AIをいかに活用するか」が重要な要素になってくると考えられます。AIに関する正しい知識を身に着けて、自身のビジネスに役立てていただきたいです。
<参考文献>
ITR 「ITR Market View:AI市場2020」
テクノスデータサイエンス・エンジニアリング 「AI×画像認識・画像解析の活用事例」
Ledge,ai 「エッジAIとは」
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ライター / 関西スタートアップニュース編集チーム