
「儲からなくていい。社会にインパクトを与えることがすべて」フードロス削減に繋がる画期的なサービスとは?
株式会社STRK
代表取締役 我時朗(本名:佐藤 隆史朗)
こんにちは、関西スタートアップニュース編集チームです!
ここ数年、国・会社・個人レベルでの健康観が変化してきたように感じています。
国は働き方改革を主導し労働安全衛生法、労働施策総合推進法、健康増進法を改正しました。それに伴い会社は残業を減らし、ストレスチェック、パワハラ防止、受動喫煙対策といった対応を行うようになりました。
なかには積極的に“健康経営”へと舵を切った前衛的なトップもいらっしゃいます。さらにコロナ禍が拍車をかけ国民の多くが、健康な生活を維持したいと願い、適切な運動・食生活の見直しなど思い思いのヘルスケアに取り組むようになりました。NTTによると
“ヘルスケアや医療とテクノロジーを融合し、新たな価値を創造するための取り組み”を「ヘルステック」というのだそうです。そこにビジネスチャンス、可能性を感じている経営者、スタートアップ起業家も少なくないでしょう。そこで今回はヘルステック国内外の市場規模、具体例、今後の展望についてもご紹介していきます。
<目次>
ヘルステック国内外市場規模(日本、アメリカ)
ヘルステック商品、サービス具体例
ヘルステック、今後の展望
まとめ
残念ながら国内外、ヘルステックというくくりで明確に業界市場規模を示した最新資料等はネット上では見当たらず、ここでは参考値をお伝えしていきます。
富士経済が発出したプレスリリース第19009号では健康経営サービス、健康情報測定機器・治療器、検査・健診サービス、健康プラットフォーム及び生活習慣改善サポートサービスのヘルステック・健康ソリューション関連を合算した国内市場規模は2017年、2055億円となっていました。
しかし日経業界地図2021年版ではヘルステックも含むであろう医療機器の市場規模は2018年、2兆9017億円。厚生労働省の資料では同じくヘルスケア産業の市場規模は2016年、推計約25兆円となっていますので、これらの数値も十分、参考になるでしょう。
ちなみに京都府立医科大学の資料によるとアメリカの市場規模は3兆ドル程度※としており、世界市場規模はそれを上回ると考えます。大きく成長を遂げてきたといえるヘルステックですが、健康志向のさらなる高まり、コロナ禍がいい意味で追い風となり市場拡大は続くでしょう。
※2021年2月時点のレートで約314兆6010億円
そんなヘルステックですがどのような商品、サービスがあてはまるのでしょうか。次章でとりまとめます。
身近でわかりやすいものとしては、次のものがあります。
スマートウォッチ
オンライン診療
介護施設マッチング
コロナ感染者数予測
以下、順にご紹介します。
■スマートウォッチ
健康管理を目的としたいわゆるウェアラブル端末と呼ばれるもののひとつで代表的なものにApple Watchがあります。
現在リリースされているApple Watchでは高心拍数、低心拍数のほか不規則な心拍リズムがあると知らせてくれます。またアプリで心電図を記録したり、血中酸素レベルを測定したりすることもできます。一般的にウェアラブル端末では、
歩数
移動距離
消費カロリー
睡眠時間やその質
もわかるようになっていて、セルフでチェック、ケアができるのです。
■オンライン診療
厚生労働省の資料によるとオンライン診療は、“遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果を伝達する等の診療行為を、リアルタイムで行う“ものです。もちろんオンライン診療を手助けするサービス(受診予約、問診、診察、処方箋受領をスマートフォンで完結)はすでに世に送り出されまた、新型コロナウイルス感染防止の観点から初診も可となり、積極的に利用する方が急増しています。
■介護施設マッチング
関西スタートアップニュースがインタビュー記事でもお伝えしているとおり神戸市を拠点とするKURASERUは、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャーのための介護施設マッチングサービスを提供しています。いわゆる前澤ファンドで出資を受け話題となりました。
■コロナ感染者数予測
コロナ禍の昨今、2020年8月にアメリカでスタートし11月には日本でも公開されたのが、Google CloudのCOVID-19 感染予測(日本版)です。
厚生労働省発表の新型コロナウイルス感染症陽性者、死亡者数などオープンデータ、国勢調査結果などを基にAIで予測した将来28日間の
死亡者
陽性者
患者
の数を示すものです。関連して今は一般的に出回っているPCR検査キットもまたヘルステックの賜物といえます。
すでに導入済、実用化しているものもあると思われますが今後、5Gの普及でヘルステックは常時、高速、大容量でのデータ処理が当たり前、トレンドとなるでしょう。
「ウェルネストイレ」
2021年1月のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でTOTOが開発を表明した『ウェルネストイレ』が執筆時点で最も興味をひかれたヘルステック、今後の展望例です。
TOTOによるとセンサーを搭載した便座で用を足すときに血流、心拍数、便臭、尿臭をとり体の状態をAI分析し食事、運動に関する改善案情報を送るほか、ストレス診断、病気予防も実施するというものです。これは5G環境下だからこそ活きてくると考えます。
製品実用化はまだまだ先と思われますが、家にいながらかつこれまでのライフスタイルを一切、変えずに毎日のように多くの方がヘルステックと関われる。そんな日が少し手を伸ばせば、届くところまでやって来ているといえます。
ヘルステックはこれからもっと医療機関だけではなく会社、家庭などありとあらゆるスキマにも浸透していくはずです。健康やテクノロジーに特化した起業をお考えの方は、これからもヘルステック領域に関心を持ち、動向に刮目したいところです。
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ライター / 関西スタートアップニュース編集チーム
株式会社STRK
代表取締役 我時朗(本名:佐藤 隆史朗)
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代表取締役 池上 奈津美
株式会社With Midwife
代表取締役 岸畑 聖月
株式会社スクリエ
代表取締役(2021年4月〜) 岡本 孝博